近年、健康志向の高まりとともに注目されている「ケトン体」。脂質から作られるこの“第2のエネルギー”は、ダイエットや脳の活性化など、私たちの生活に多くのメリットをもたらします。今回は、ケトン体の正体とその魅力、そして日常生活で活用するためのポイントを解説します。
ケトン体とは何か?
ケトン体とは、脂質を分解してできる代謝産物のこと。主に以下の3つの物質で構成されています。
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アセト酢酸
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β-ヒドロキシ酪酸(BHB)
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アセトン
通常、私たちの体は糖質から得られる「ブドウ糖」を主なエネルギー源としています。しかし、糖質が不足したときに代替エネルギーとして使われるのが、ケトン体です。この代謝状態を「ケトーシス」と呼び、断食・糖質制限・長時間の運動などで発生します。
ケトン体の5つのメリット
1. 脳のパフォーマンスが向上する
ケトン体は脳の重要なエネルギー源にもなります。とくにブドウ糖が不足した状態でも安定して脳に供給できるため、集中力や認知機能の維持に役立ちます。
👉 参考:Cunnane SC et al.(2016)「ケトン体はアルツハイマー病における脳の代替燃料になるか?」
2. 血糖値の急上昇を防ぐ
ケトン体を使う代謝では血糖値の大きな変動がなく、インスリンの過剰分泌も抑えられます。その結果、肥満や糖尿病のリスク軽減につながるといわれています。
3. 脂肪を効率的に燃焼する
ケトン体は脂肪をエネルギーとして利用するため、体脂肪の燃焼を促進します。特に内臓脂肪が気になる方やダイエット中の方に効果的です。
4. メンタルが安定する
ケトン体の安定供給により、脳内神経伝達物質(例:GABA)も安定すると言われており、不安やストレスの軽減が期待できます。
👉 参考:Stafstrom CE et al.(2004)「ケトン体と神経活動の関係」
5. 疲れにくい体を作る
糖質エネルギーでは起こりやすい“ガス欠”状態が起きにくく、持久力の向上にもつながります。アスリートがケトジェニックダイエットを採用する理由もここにあります。
ケトン体をうまく活かす方法
食事の見直し:低糖質・高脂質
糖質を抑えつつ、良質な脂質をしっかり摂ることが重要です。オススメの脂質源は以下の通り:
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オリーブオイル
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アボカド
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ナッツ類
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青魚(オメガ3脂肪酸)
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ココナッツオイル(中鎖脂肪酸)
プチ断食(インターミッテント・ファスティング)
16時間断食・8時間食事の「16:8断食」などは、自然にケトーシス状態を引き起こすのに効果的です。
運動との組み合わせ
運動後は糖質が減少しやすいため、有酸素運動や筋トレを取り入れることで、より早くケトン体が生成されやすくなります。
注意点とデメリットも知っておこう
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極端な糖質制限や脂質過多は体調不良を招く可能性があります。
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最初の数日は「ケトフルー」と呼ばれる頭痛・だるさが出ることもあります。
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医師や栄養士に相談しながら、無理のない範囲で取り入れましょう。
まとめ:ケトン体は“もう一つのエネルギー源”として注目!
「ケトン体」は脂質から作られるエネルギーで、脳の活性化・ダイエット・疲れにくい体づくりなど多くのメリットがあります。糖質依存から脱却し、体のエネルギーバランスを整える鍵とも言える存在です。
日々の食事や生活スタイルを見直しながら、自分のペースでケトン体を活かす暮らしを始めてみませんか?
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